消化器がん
治療法が進んだ今日においても、早期発見、早期診断が最も効果的で有用な方法です。気になることがあれば検査を受けていただくことをおすすめします。
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食を含めた生活スタイルの変化とともに、日本人のがんは変わってきています。消化器のがんの中では、胃がんが減少傾向・大腸がんが増加傾向です。胃がんの減少は日本人のピロリ菌感染率の減少や除菌療法の普及によるものですが、その絶対数から胃がんも無視できるものではありません。「除菌後胃がん」や「陰性胃がん」の存在が注目を集めています。
大腸がんに関しては、ポリペクトミーなどの内視鏡治療で早期発見・治療を行うことが最も有用な方法です。当院では、内視鏡を使わない「大腸CT検査」による診断もおこなっていますが、ポリープが疑われれば、内視鏡による診断・治療が必要となります。
胃がん・大腸がんに比べると少ない「食道がん・肝胆膵系がん」ですが、これらは今日でも予後不良ですので、いかに早期発見するかにつきます。発見された場合、当院でできるのは胃・大腸内視鏡検査での生検やポリープ切除による診断です。がん治療に進む際は専門病院を紹介いたします。
良性疾患
良性疾患はおおむね ①形態異常 ②機能異常 に分けることができます。どのような症状があり、どのような治療が必要なのかをご説明します。(良性疾患の中でも、食道静脈瘤破裂やマロリーワイス症候群、特発性食道破裂、消化管穿孔は救急医療の対象ですので、救急病院へ紹介いたします。)
消化器が通常形態と異なっている場合をいいます。必ずしもすべてが治療の対象ではなく、症状の程度や危険性の高さで判断することが重要です。内視鏡検査やCT検査で見つけることができますが、特に内視鏡検査が有用です。
①形態異常
食道の形態異常
- 逆流性食道炎
- バレット食道
- 感染性食道炎・腐食性食道炎・薬剤性食道炎
- 食道憩室
- 食道穿孔ヘルニア
胃の形態異常
- 胃炎
- 胃潰瘍
- 胃ポリープ、胃良性腫瘍
- GAVE(gastric antral vascular ectasia)
- 胃粘膜下腫瘍
大腸の形態異常
- 大腸ポリープ
- 大腸憩室
- Crohn病
- 潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患
- 腸結核
- ベーチェット病、単純性潰瘍
- 虚血性大腸炎
- 感染性腸炎
- 薬剤性腸炎
②機能異常
一方、内視鏡検査やCT検査などで異常が見つからないのに消化器の症状が続く……という場合には、機能異常に関係する疾患を疑わなければなりません。この領域の疾患には「これが原因だ」とわかるものもありますが、精神面の不調が中心となるもの、精神面の不調の影響を受けているものなどさまざまです。(:神経障害も含め局所因子に帰院するものもあるが、精神神経系が中心となるもの・精神神経系の影響を受けているものなど、範囲は広い。)その背景や病態を踏まえた診断・治療が必要となります。
代表的な疾患
- 食道アカラシアなどの食道運動機能障害
- 胃食道逆流症(非びらん性逆流症)
- 機能性ディスペプシア
- 過敏性腸症候群
- 便秘
胃切後障害
日本人には胃の病気が多く、胃の手術を受けられている方も少なくありません。胃全摘術を含め、胃切除後に見られる障害を「胃切除後障害」と呼びます。「手術を受けたから仕方ない」と思っていたものも、治療により改善が見られることがあるため、お困りの場合はぜひご相談ください。消化器外科医としての経験を踏まえて、消化器手術の術後症状に対応した診療をおこなっていきます。
代表的な胃切除後障害
- ダンピング症候群
- 小胃症状
- 十二指腸液による逆流性胃炎・食道炎
- 再建法に起因した代謝障害
- 輸入脚症候群
- 貧血
- 骨障害